雪圧による奇形樹
  石沢 進



 雪が植物の成長に及ぼす影響については、様々な要因があり、その一つに雪圧による植物の成長阻害があげられる。スギなど樹木の根曲がりは日本海側の樹木でよく目にすることである。植林した後に小さい苗木が伸長して冬でも積雪上にでるまで、成長が遅くて時間がかかる。積雪量が多くて3mを越えるようなところでの樹木の成長は幹が積雪で曲げられて、順調に伸びるまでに相当月日がかかる。特に土地が平坦なところでは毎年雪の圧力が一定の方向ではないので、幹はくねくねと曲がり直幹がなかなか立ち上がれずに低木状で終わってしまうこともある。

 2002年5月に銀山平の奥只見に訪れたところ、小低木はまだ積雪下にあって大きくなった樹木だけが雪上にみられた。しかし、平坦な立地では正常に生育している樹木はほとんどなく、幹がねじ曲げられ、枝だの伸びも悪くいずれも奇形となっていた。樹種はキハダ、ミズナラ、ダケカンバなどで、種類を問わず雪圧の被害を受けていた。

写真1
多雪地域の平坦地に生える樹木
写真2
ねじまげられたキハダの樹幹
写真3
雪圧で折り曲げられたキハダの樹幹
写真4
樹幹上部で枝分かれしたダケカンバ
写真5
ねじまげられたキハダの樹幹
写真6
ねじまげられたミズナラの樹幹



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